2021年6月14日 (月)

『たそかれ』音楽クイズ

朽木祥さんの『かはたれ』の文庫版出版記念で、続編の『たそかれ』からの音楽クイズがあり、賞品のサイン本をいただきました!

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クイズは次のようなものでした。
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「たそかれ」(福音館書店)のテーマは、音楽と戦争そして誰かを信じて待ち続けること、でした。
さて、クイズです。物語のなかに描かれた曲が三つあります。
1.河井くんが立ち直るきっかけになった曲
2.河井くんが中学校の講堂で練習していた曲
3.司が戻ってくるきっかけになった曲。
各曲名は?
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本の中には曲の描写しかなくて、そこから曲名を当てるというもの。忙しくて取り組めないでいるうちに「三曲は、それぞれ変奏曲、交響曲、練習曲(順不同)です。」というヒントが出たのでだいぶ助かりましたが、ピアノ曲はあまり知らないので1曲なかなかわからず探しまくりました~。イメージに合う曲が見つかった時にはうれしかった~。具体的な曲がわかったら、物語の世界がさらに広がった気がします。

1の描写は、「第二楽章でホルンが主題を歌いはじめるやいなや、河井君は魔法にかかったみたいになった。長いこと音楽を受け付けなかった魂に、ホルンのあたたかい音色が深く染み通ってきた。」というもの。あ~これ絶対知ってる曲だけど、何だっけ…。ずいぶん聞いていなかったから思い出せなかったけど、検索したらすぐにわかりました♪ あのホルンの旋律はたしかに胸に染みます。

3は「不眠症の伯爵のために書かれた曲だって言われてる。」と書かれているので、それで検索したら一発でした。

そして難しかった2は、「風の漣のような、あるいは水の漣を思い出させるような美しい曲だった。」「音階を少しずつずらしながら駆け上がっていくような旋律」「アルペジオが大きくうねりながら、美しい旋律を浮かび上がらせていく。」というもの。残るこれは練習曲のはずなので、ピアノの練習曲・エチュードをいろいろ探しました。アルペジオがにぎやかすぎるから違うかなとか、短調じゃないだろうとか、まあまあイメージに合うかなあとか思いながら、いくつか候補を見つけていった末に、「絶対これだ!」と思う曲を見つけました。まさに「風の漣」だし、アルペジオから旋律が浮かび上がる。別名も「風」とつながりがある。こんな素敵な曲を講堂で練習していたのかと思いました。

答えは白文字で書いておきますね。
1.チャイコフスキーの交響曲第5番
2.ショパンのエチュード作品25-1(別名エオリアンハープ)
3.バッハのゴルトベルク変奏曲

素敵なクイズ、とても楽しませていただきました♪

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2020年5月18日 (月)

7日間ブックカバーチャレンジ

Facebookで友人から回ってきた、7日間ブックカバーチャレンジ好きな本の表紙の写真を1日1冊7日間投稿して、次にやる人を毎回指名するというものだそうです。あちこちの友人がやっていると思ったらついに自分にも指名が来たので、7冊に絞るの大変だ~と思いながらチャレンジしました。7日間毎回指名というのは多すぎて加速度的に増えちゃうので、結局やりたい人がやってねということにしました。表紙の写真をアップといっても持ってない本も挙げたいので、e-honへのリンクも使いました。(Amazonにしなかったのは実書店応援のためのこだわりです。e-honは5月末まで宅配無料だし。)あと表紙の写真をアップするのは著作権的にどうなのかってことも友人が書いていたこともあり、そういえば私も以前は気にしていたのにこの頃はアップしてしまっているなあと思いました…。

以下その記録です。このブログの過去記事のコピペも多いです(^^;;

【1日目】

「活版印刷三日月堂」。
数年前から在宅仕事になったらすっかり読書量が減ってしまった上に、この半年ぐらいはこのシリーズか「十二国記」しか(再読も含めて)読んでない気がします(^^;;

印刷博物館に「天文学と印刷」展を見に行った時に同時にやってたのが、「活版印刷三日月堂」のコラボ展。それに出てくる、活版印刷されたコースターとか栞とかが展示されていました。へえ~、そういう本があるのか、今度読んでみようかなと思ってパンフレットをもらって帰りました。

で、半年ぐらい経ってからやっと読みました。祖父が昔川越でやっていた印刷業を、孫娘が帰ってきて少しずつ再開していく話。人と人とのつながりから仕事の幅がどんどん広がっていくのですが、それぞれの話がじんわり染みるし、活字に興味がわきます。うわ~、展示されてたコースターとか栞とか、読んだ今もう一度ちゃんと見たい~!と地団駄踏みました…。博物館の印刷体験コーナーも、その時はへえ~と思っただけだったけど、体験しに行きたい! それに何より川越の街を歩きたい!と思って、再読して2月に行ってきたという次第です。

【2日目】
「河童のユウタの冒険」。
「冒険者たち‐‐ガンバと15ひきの仲間」の斎藤惇夫さんがつい数年前に書いた長編冒険ファンタジーです。
かつてガンバやカワウソの冒険に熱中したなら必読です。
そして指輪物語ファンにも、すごく気になる場面があるのでぜひ読んでもらいたいです。

北国の湖の住む河童のユウタは、ある日突然、キツネと旅立たなければならないと言われる。わけがわからないまま、キツネともうひとりの仲間と共に龍川を水源まで遡る旅が始まる・・・。

ユウタたちが水源まで旅するといったい何が起こるのか、途中いろいろなピンチもあってハラハラドキドキで、分厚い上下巻ですがどんどん読み進んでしまいました。現代文明への批判もあったり、最後ちょっと話を広げすぎたかなという感じもありますが、とても面白かったです。

【3日目】
アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズ。
SFの巨匠アシモフによる安楽椅子探偵ものの短編集です。

父は本をよく買う人で、狭い家に本が山積みになっていたのですが(その反動で私はそれほど買わないです)、その中で結構多かったのが推理小説でした。ホームズもルパンの大半もポアロもほとんど父の本で読みました。いろいろ読んでるうちに殺人事件のは嫌になってきたところで見つけたのが、純粋に謎解きを楽しめる「黒後家蜘蛛の会」でした。

アシモフは「銀河帝国の興亡」(ファウンデーションのシリーズ)も好きですが、推理小説も書いてたんだよということでこちらを選びました。
これは最近の表紙では気分が出ないので、持っている本の写真を使うことにしました。父が亡くなった後、本の整理に実家に行ってもらってきたものです。1巻は黄ばみが目立ったので、好きな日食の話が載っている3巻にしました。日食が起きるたびに、科学技術の進展ってすごいな、あの頃の未来に今いるんだなって思います。

【4日目】
「デューン砂の惑星」。
父の本棚から読んだ本をもうひとつ。父がなぜこの本を持っていたのかは謎ですが、石森章太郎の表紙&挿絵に惹かれて読みました。
とはいうものの、今持っているのはその時の本ではないんです。実家が引っ越した時に処分してしまったみたいで、見つかりませんでした。残念に思っていたところ、ブック〇フの100円コーナーで1巻だけ見つけて、この表紙絵があまりに懐かしくて買った後、神保町の古書店やネット古書店で残りの巻も石森表紙で揃えたのでした。

そういう次第で、これも絶対この表紙でなくてはならないので、持ってる本の写真を使いました。
竹宮恵子が描いたポウルのイメージ画も好きです♪
また映画化されるんですよね・・・どうなんだろう?

【5日目】
「風が強く吹いている」。
箱根駅伝をいきなり目指す青春小説。予選会から見るほどの箱根駅伝ファンの娘と一緒に、映画化と前後して読みました。私はぎりぎり映画前に読んだけど、キャストを知ってたからそのイメージが浮かんでしまいました。

スポーツものは「バッテリー」とか「DIVE!!」とか、「一瞬の風になれ」とかも好きですね。
それにしても林遣都の主演映画比率の高いこと(笑)
「バッテリー」映画化と聞いた時、主人公のイメージに合う子なんているのかなと思ったけど、いたんですね~。そして驚いたことに、キャッチャー役の子が、娘の中学の1年上の子だったのでした。今どうしているんだろう~。

【6日目】
スーザン・クーパー「闇の戦い」シリーズ。
アーサー王伝説を下敷きにした、光と闇の戦いのファンタジー。
日常の生活の中にふいに異世界が入り込んでくる、緊迫感のある重厚な雰囲気の作品です。
好きな本のトップ3のひとつです。

「光の六つのしるし」「みどりの妖婆」「灰色の王」「樹上の銀」の4冊ですが、その前段の物語として元は単独作として書かれた「コーンウォールの聖杯」が別の出版社から出ています。少なくとも「みどりの妖婆」より前に読んでおかないと戸惑います。

この「コーンウォールの聖杯」が長らく絶版だったのと、しかもそれが最初の話だということが「樹上の銀」のあとがきにしか書いてなくて、最初に読んだときは困惑しました~。
その後、復刊ドットコムで復刊希望が集まって「ハリー・ポッター」などのファンタジーブームの時に復刊されましたが、今はまた買えなくなっちゃったみたい。そういえば、復刊が決まった時にサイトに書き込んだコメントが、本の帯に載ったのでした。

【7日目】
アーサー・ランサム「ツバメ号とアマゾン号」シリーズ。
最終日はこれ! 子どもたちが休暇中にヨットやキャンプや探検を楽しむ物語です。ずっしり分厚い全集版に愛着がありますが、神宮輝夫先生ご自身による改訂新訳で少年文庫版も出ました。

十代の頃からずっとこのシリーズとトールキンの「指輪物語」が好きな本の双璧で、その後昨日の「闇の戦い」が加わりました。「指輪物語」は複数の友人が挙げていたので今回取り上げませんでしたが、これらの本のおかげで多くの人に出会って人生がとても豊かになりました。

これで7日間終わり! 楽しかったです。「精霊の守り人」シリーズや「十二国記」を挙げてないし、迷いに迷った次点の本もいろいろあるけど、それはまたいつか機会があれば。
次の人は特に指名しませんが、ランサム仲間で誰か書いてくれたらうれしいです♪

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私に回ってくる前に、ランサム仲間じゃない意外な友人がガンバや指輪物語やゲドなどを挙げているのを見て、そうだったのか~こんなところにも仲間がいた~とうれしかったです。2日目の本はガンバを挙げてた人宛てみたいな気持ちもあったり、指輪やゲドの人は何を喜ぶかなとかも思いました。一番反応があったのは4日目の石森表紙のデューン。さすが表紙の力。自分の覚書として、次点の本は「かはたれ」「オオカミ族の少年」「インディゴ・ドラゴン号の冒険」「ひとりぼっちの不時着」「経度への挑戦」あたり。有名どころは書くまでもないかなというマニアックな気持ちもちょっとありました。(←さだまさしの好きな曲投票の時みたいな。)あと児童文学ばかりになりがちだから、それ以外の本も入れるよう意識も少ししました。ほんのちょっとだけど。

おまけ:トールキン&インクリングスについて前より知った今、「インディゴ・ドラゴン号の冒険」を再読したいなあ。

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2020年4月 2日 (木)

活版印刷三日月堂

「活版印刷三日月堂」ほしおさなえ作、ポプラ文庫

そういえば川越散策のもととなったこの本のことを書いてなかった(^^;;

2018年12月に飯田橋の印刷博物館に「天文学と印刷」展を見に行ったんです。地動説などが普及した裏には印刷技術の発達があったという展示で、コペルニクスとかガリレオの出版物などすごいものがいっぱいの展覧会でした。その時博物館で同時にやってたのが、「活版印刷三日月堂」とのコラボ展。へえ~、そういう本があるのか。それに出てくる、活版印刷されたコースターとか栞とかが展示されていました。ふーん、今度読んでみようかなと思ってパンフレットをもらって帰りました。

で、半年ぐらい経ってからやっと読みました。祖父が昔川越でやっていた印刷業を、孫娘が帰ってきて少しずつ再開していく話。人と人とのつながりから仕事の幅がどんどん広がっていくのですが、それぞれの話がじんわり染みるし、活字に興味がわきます。うわ~、展示されてたコースターとか栞とか、読んだ今もう一度ちゃんと見たい~!と地団駄踏みました…。博物館の印刷体験コーナーも、その時はへえ~と思っただけだったけど、体験しに行きたい!  それに何より川越の街を歩きたい!となった次第です。

活版印刷に興味がわいて、文房堂で活版印刷の一筆箋を見つけて、思わず買ってしまいました。

同じ作者の「菓子屋横丁月光荘」も読んだら、「三日月堂」とのつながりもちょっとあってそれもよかったです。

「三日月堂」は4巻で終わったのだけど、その後番外編が2冊出たので、それを読むのも楽しみです。

紙博に出品された(博物館で展示されたのもこれなのかな?)コースターとか栞とか、はたまた星座早見盤とか豆本とか、ここで見られます(売り切れが多いけど)。

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2017年6月23日 (金)

河童のユウタの冒険

『河童のユウタの冒険』  斎藤惇夫、福音館書店

あの斎藤惇夫さんの長編冒険ファンタジーです!
かつてガンバやカワウソの冒険に熱中したなら必読です。
そして指輪ファンにもぜひ読んでもらいたいです。

北国の湖の住む河童のユウタは、ある日突然、キツネと旅立たなければならないと言われる。わけがわからないまま、キツネともうひとりの仲間と共に龍川を水源まで遡る旅が始まる・・・。

『哲夫の春休み』で斎藤さんが新潟の出身だと知ったので、まずこの湖って瓢湖?と思いましたが、福島潟らしいですね。瓢箪湖というほうが瓢湖のようです。
ユウタたちが水源まで旅するといったい何が起こるのか、途中いろいろなピンチもあってハラハラドキドキで、分厚い上下巻ですがどんどん読み進んでしまいました。現代文明への批判もあったり、最後ちょっと話を広げすぎたかなという感じもありますが、とても面白かったです。
懐かしい仲間がちらっと出るのもうれしい。
途中すごく気になる人物が登場しますが、あとがきを読んでこの作品が書かれた経緯がわかって納得&感動しました。そうか、斎藤さん、編集者だったんですよね~。その辺の背景などいろいろ気になるので『わたしはなぜファンタジーに向かうのか』も読みたいです。

私ははじめうっかり見落としていたのだけど、この本の扉ページ、言葉だけじゃなくて(もちろん言葉とその出典も重要ですが)、装丁にも注目してください。

この本を読んで間もない時に、規模は全然違うけれど川を水源まで遡ることができてよかったです。

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2016年1月11日 (月)

「CREA」の少年少女文学特集

Kc3z0032_250x188 文藝春秋社の女性雑誌「CREA」の2月号の特集「大人の少年少女文学」。
友人からの声かけで、100冊リストの一部をお手伝いしました。
雑誌を受け取ってみると、すごく力の入った盛りだくさんな特集!  個人的事情を抜きにしても、これは永久保存版に値すると思います。

いろいろなランキングやインタビューなど面白い記事がたくさんありましたが、気にいったのはなんといっても各種の食べ物特集(笑)。おいしそうな食べ物ランキングやレシピはもちろんだけど、「妄想ニホン料理」ならぬ「妄想モノガタリ料理」ともいえそうな、「思ってた味と違ってた!ヘンな食べ物図鑑」が特にいいです~。ペミカンもちゃんと登場するし、レンバスについてのコメントには同感だし。アブラミのお菓子とかあぶりソーセージとかは子どもの時に読んでないので妄想してなくて残念ですが、こけももについては「スプーンおばさん」を読んでいろいろ想像してたので、共感しながら読みました。

不満なのは、映像化作品ランキングに「ロード・オブ・ザ・リング」が入ってないこと・・・。児童文学に入らないと判断されたんですね、きっと。(原作本はランキングに入ってるとか、シャーロック・ホームズだって児童文学じゃないのに、というのは考えないでおこう。)

100冊リストで私が紹介文を書いたのは、006「うさぎ屋のひみつ」009「王への手紙」022「ガリヴァー旅行記」031「黒い兄弟」043「第八森の子どもたち」 045「宝島」052「チョコレート工場の秘密」071「光の六つのしるし」086「魔女の宅急便」097「ローワンと魔法の地図」です。ライターさんがある程度リライトしてくれていて、元の文章よりもすっきり読みやすくなっているのがさすがと思うのですが、1カ所だけ修正ミスがありました。「光の六つのしるし」の紹介文で、「十二夜」にカギカッコは不要です!  シェイクスピアの作品ではありません。「クリスマスや十二夜などの民間伝承」と書いたんですよ~。(そもそもシェイクスピア作品に十二夜の行事とか伝承が出てくるならよかったわけなのですがそうではないので。)あとちょっと残念だったのは、雑誌の対象読者を考えたらヒルクレストのシリーズも入れたいけど品切れだからダメだろうねって思ってたのに、特集記事で「丘の家のセーラ」が何度か言及されていたので、やっぱり入れたかったな~ということ。入れたかった作品を挙げだしたらきりがないですけど。

100冊リストのほとんどは知ってる人が書いたので、紹介文を読むのも楽しいし、未読の作品もそのうち読んでみたいと思うので、今後の楽しみが増えました。こんな立派な雑誌の特集にかかわるという貴重な経験ができたことに感謝です。

おまけ:100冊リストの各作品の登場人物(3人ぐらい)に、最終的に誰が挙がっているかチェックしたら結構面白かった~。「おお、そうきたか」とか「え?そっちにした?」などいろいろ思いました。3人と言われて悩んだのもあったけど2人とか4人でもよかったようでちょっと気が抜けました。

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2015年11月 9日 (月)

「神々と戦士たち」シリーズ

「クロニクル千古の闇」のミシェル・ペイヴァーの新しいシリーズ!
全5巻の予定で、第1巻が「青銅の短剣」。
「千古の闇」は石器時代でしたが、これは青銅器時代の古代ギリシアです。
突然黒い戦士たちに襲撃されて逃げ惑うヤギ飼いの少年。途中で隠れた洞穴でクレタ島から来た男から青銅の短剣を託されました。少年は妹を探し出そうとしながら、自由を求めて船から逃げてきた少女に出会い、部族間の闘争に巻き込まれていきます。

今度の作品も古い時代の話だけど、その生活の様子などがしっかり描かれていてさすがペイヴァーという感じです。ギリシアの神々もまだそれほど個別化してないプリミティブな状態みたいです。そして何といってもイルカの視点からの描写やその活躍ぶりがユニーク。
第2巻も最近出たようなので早く読みたいです。

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2014年10月17日 (金)

ラストレター

『ラストレター』  さだまさし

週刊朝日に連載されていた小説の単行本化。週刊誌読むのは面倒だったので、単行本になってやっと図書館で借りて読みました。

聴取率の低いラジオ深夜放送枠の大改革に名乗りを上げた新米アナウンサーが、メールもファックスもツイッターも使わずハガキのお便りで構成する「昭和の匂い」のする番組を作っていく話。「さだまさしのセイヤング」を下敷きにしているから懐かしいのなんの。本当の深夜にやっていたセイヤングとかオールナイトニッポンとかはほとんど起きてない時間だったから数回しか聞いたことはないんだけど、土曜日23時からの「さだまさしのセイヤング」は布団の中でヘッドフォンで結構聞いてたから。(だからその頃のシングル曲はアルバムに入ってなくても結構知ってる。)「深夜の句会」はもちろん覚えている(超有名だった常連投稿者のお名前も登場する←この前「生さだ」でも言ってた)けど、「ゆく週くる週」ってそういえばあったっけ~。そしてサン・サーンスの「白鳥」が流れる中(「セロ弾きのゴーシュ」だったような気もして混乱してるけど)でのラストレター。9月に文化放送でアルバム「第二楽章」発売&「ラストレター」発売に合わせた番組をやって、その中でこの本に出てくる番組の再現的なことをやっていたので、読んだ後でその録音をもう一度聞いて楽しみました。生で聞いた時、「白鳥」が流れたのがジーンときたんだよね~。(パソコンでラジオが聞けて予約録音までできるなんて、便利な時代になったんだなあ。)

面白くてほろっと泣ける本でした。外で読んでたから、最後のほうはうるうるして困っちゃった。

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2014年8月15日 (金)

光のうつしえ

『光のうつしえ』  朽木祥、講談社

昨年秋に朽木祥さんの講演会を聞いた時に新刊で出ていた本で、ずっと読もうと思いながらなかなかできず、でも8月には絶対読まなきゃと思って(夏休みに読む中学生などの邪魔にならないか気にしつつ)8月6日には間に合わなかったけど8月9日に読みました。(そして8月15日にこれを書いています。)

かつての廣島と、あの日のヒロシマと、現在そして未来の広島をつなげる物語。文化祭で「あのころの廣島とヒロシマ」をテーマに美術作品を取り組む中で、身近な人のこれまで知らなかったつらい体験を知り、その思いをどのように伝えていったらいいかと考える中学生たち。ああ、そうか、講演会で言っていた Compassion(共感共苦)とはこういうことなんだ。この美しい物語を多くの人が(特に若い人が)読んで、自分の問題として受け止めて考えてくれたらいいなと思います。

「加害者になるな。犠牲者になるな。そしてなによりも傍観者になるな。」
先生が伝えたこの言葉は、重いけれども大切なことです。

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ゲド戦記

ゲド戦記  アーシュラ・ル=グウィン、岩波書店
1.影との戦い
2.こわれた腕環
3.さいはての島へ
4.帰還
5.ドラゴンフライ
6.アースシーの風

ゲド戦記を読んだのは大人になってからで、4巻が出てからだったのだけど、ちょっと苦手感があったんですよね。でもその後5巻6巻が出て、それを読みたいけど前のを再読して思い出さなければならないからなかなかできなくて、ずいぶん経ってしまってました。ひゃ~、6巻が出たの、2003年だって。10年以上前なんだ。そうだよねえ、指輪仲間で話題にしてたんだから。で、「オレンジ党」シリーズを読み終わってまだ時間に余裕がありそうだからとついにチャレンジした次第です。

まずは内容をほどよく忘れている状態で、話のタネにジブリのアニメを見ました。忘れてるからまあそれなりに見られたけど、こういう話ではなかったと思うよ。絵はきれいだけどね。それで、いざ1巻から読もうと思って図書館に行ったらどの版も1巻2巻がなくて、まあその2つは大筋だけは覚えてるから後でいいことにしてリクエストしておいて、3巻と4巻から読み始め。読んでからアニメは見られないね。5巻(短編集)を読んでる時に1巻2巻が来て、読み終わった本も貸出延長して手元に全部置いてあちこち確認したりして、ついに6巻まで約1か月がかりで読了。

いや~、どうして苦手と思っていたんだろう。深くてすごい、この世界。短編集でこの世界のいろいろな時代の話を読めたのがよかった。そしてそれまでの世界観を壊していくような6巻。子どもの時に3巻までを読んでてすごく好きだったら、4巻以降を読むのがつらいことはあるだろうけど、そうでない私は6巻まであってひとつの物語なんだなって思いました。読めてよかった。長年の宿題をやっと終わらせた気分です。

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2014年6月26日 (木)

オレンジ党最後の歌

『オレンジ党最後の歌』  天沢退二郎、復刊ドットコム

二十数年経って書かれた、オレンジ党シリーズの続き。復刊ドットコムから出たけどこれは新刊で、旧作の復刊が実現する中で物語が動き始めたということのようです。
2011年末に出たこの本、読みたいリストにはずっと入れていたけれども、読むには旧作を読み返さないとすっかり忘れてる。シリーズ全部を読むのは大変なのでなかなか取り掛かれずに2年以上経ってしまったのを、やっと読むことができました。

『闇の中のオレンジ』 (短編集)

『オレンジ党と黒い釜』
『魔の沼』
『オレンジ党、海へ』

と読み返した後、この『オレンジ党最後の歌』。

これまでわからなかったところが説明された部分もあり、謎が深まったような部分もあり。なんにしてもおなじみのメンバーたちが再び活躍するのが読めてうれしいです。
このシリーズは黒いぬめぬめした水がひたひたと迫ってくるような怖さが印象的ですが、この作品では不気味な管理社会の怖さみたいなものも少し見えて、時代の反映だろうかと思っていたら、もっとすごい現実の反映があり・・・。と思ったら、この本、出版は2011年だけども挿絵の都合で3年以上刊行が遅くなったのであって、書かれたのは2006~7年だという衝撃の事実。まだ気持ちの整理がつかない感じがしています。

作品紹介の天沢退二郎さんが語る「オレンジ党」の世界を読んで、うちにある『光車よ、回れ!』も含めてまた振り返って読んだりしているところです。

天沢退二郎さんはランサマイトとして有名で、ランサム的には『闇の中のオレンジ』で「(船には)アホイ!ってよぶんだって、本で読んだよ」といって「アホイ!」と呼びかけるのがうれしいところです。この『最後の歌』でも、その時のことを思い出して「アホイ!」と呼びかけあうシーンがあって思わずにんまりしてしまいました。

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