« お題バトン | トップページ | とこしへコンサート »

2006年4月 9日 (日)

オズボーン・コレクション

Foggy Scillyさんがブログでリリアン・H・スミスの児童文学論について書かれたのに触発されて、オズボーン・コレクションに行った時のことを書きます。

トロントの公共図書館で活動するリリアン・H・スミスの功績が認められて、イギリスの貴重な児童文学書のコレクションが寄贈されたのがオズボーン・コレクション。学生の頃、ランサムについて書かれているのがうれしくて(書いている本はたいてい好意的だったので)児童文学論などをいろいろ読んでいたので、オズボーン・コレクションのことはなんとなく知っていました。それがトロントにあって、誰でも希望すれば見られるものだと知ったのは、カナダに行くちょっと前。新聞か何かの記事で、「研究者でもなんでもなくてもこんな貴重なコレクションを見られる」というのを読み、これはぜひ見たいと思ったのでした。

トロントに行ってから、さてどこにあるのだろうと困ってしまいました。なんとあの記事を取っておかなかったんです。トロント大学の図書館なのかと思い込んでいたのですが、何をどう調べたらいいのかもわからない。今ならネットで簡単に検索できるのに。結局一時帰国した時に児童文学論の本を見て、トロント公共図書館だと確認したのでした。

3歳前の息子を連れて、いざ地下鉄に乗ってダウンタウンのMetro Toronto Libraryへ。そこで聞くと、そこではなく、Toronto Public LibraryのBoys and Girls Houseにあるという。子連れだからか、「オズボーン・コレクションは昔の本を集めたもので、ふつうの子ども向けの本ならすぐ近くの別の分館にありますよ」と教えてくれたけど、私が見たいのはその昔の本なんだってば。またちょっと地下鉄に乗って、やっと着きました。

Boys and Girls Houseは小さな建物で、普通の本のある部屋から通路を通った奥のほうにコレクションの部屋がありました。ガラスケースにいかにも古くて貴重そうな立体絵本などが展示されています。ドキドキ。本棚をずっと探していくと、ありました、ランサム・サガ! 息子に絵本をもたせておとなしくさせておいて飽きるまでの短い時間だけ、ランサムの初版本を3、4冊見せてもらいました。今だったら、後で削除されてしまったというアルツンヤン家への献辞を確かめたり、ランサム自身の絵ではなかったはずの挿絵を楽しんだりするのですが、その時は「うわ~、これが初版本だ~」とただ感動するだけでした。それでも、大英博物館ではガラスケースのなかに展示してあったランサム初版本が、誰でも手にとって見られるというのはすごいですよね。

その後普通の本のコーナーで、息子と本を読みました。さすがに子ども専門の図書館、4~5歳の子が司書のお姉さんに「テディベアがピクニックに行って、~~して~~したおはなしの本はありますか」と聞いていたのがかわいくて、やさしく答えてあげてるお姉さんも素敵でした。(この本何だったのか気になります。)子供が幼稚園にはいってからもう一度ゆっくり見にいけばよかったなあ。

Boys and Girls Houseは95年に閉館して、コレクションは新しくできたリリアン・H・スミス館に移転したそうです。日本人でそこで働いていた方が書いたコレクションの紹介があります。私が行った当時既にいらしたのかどうか、微妙なタイミングだったのではないかな。その後日系の新聞にコレクションの特別展示のお知らせが載ったりしたのは、この方が出したのかもしれません。(それが「アーサー・ラッカム展」でランサムと読み違えてしばし興奮した私・・・)

トロント公共図書館のコレクション紹介はこちらのサイトです。1910年以降の本はリリアン・H・スミス・コレクションと呼ばれていて、その中にはスーザン・クーパーやケビン・クロスリー・ホランドの原稿もあるみたい。今度行くことがあったら見たいものがたくさんあって大変そうです。ダウンタウンの便利なところなので、トロント観光のついでにも立ち寄れます。

|

« お題バトン | トップページ | とこしへコンサート »

コメント

☆実際においでになったのですよね、羨ましいです。リリアン・スミスさんのことを知ったのは、実は児童文学論ではなくて石井桃子さんが私が生まれた頃に奨学金を得て留学された時の事などを綴った“児童文学の旅”という本がきっかけでした。新橋駅前恒例の古本市で帰り際に見つけたもののその前に有り金はたいてしまっていたのですが、どうしても欲しくてとり置いてもらった本です。リリアンさんたちとの交流はとても羨ましくてすごく素敵で、もし、見かけたら手にとって見ていただけるとうれしいです。行きたい所がどんどん増えるばっかりですね。

投稿: mog | 2006年4月10日 (月) 11時51分

素敵な体験をなさったんですね♪
どこの図書館なのかわからなくて苦労なさったというのも含めて、とってもいい話。
読んでいてなんだか嬉しくなってしまいました。

投稿: Foggy Scilly | 2006年4月10日 (月) 20時59分

mogさん、Foggy Scillyさん、

懐かしい思い出です。あの建物がもうないと思うとちょっと寂しいですが。
mogさんご紹介の本も、読んでみますね。

投稿: Titmouse | 2006年4月23日 (日) 00時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: オズボーン・コレクション:

« お題バトン | トップページ | とこしへコンサート »